先日、産後最初となるオペラ公演を無事に終えることができました!10月16日には大阪のフェニックスホールで産後最初のリサイタルです!(こちらについては次の記事にアップします。) 10月1日と2日の二日間、奈良でオペラ「遣唐使物語」に大和の郎女役で出演していました。こちらは新作のオペラで、脚本は上野誠さん、作曲は中村透さん、演出は浜畑賢吉さんでした。 遣唐使については日本史の授業では勉強しましたが、そこまで身近なものとして感じていませんでした。でも今回当時の状況を改めて知り、想像し、とても身近に感じるようになりました。中国に行くだけでも命がけの時代。たくさんの若い優秀な命が失われ、それでも行って勉強したり文化を持って帰ったり、外交をしたりといった事をした人たちがいて、それが今へ受け継がれ、そのおかげで私たちが生きている今の日本がある。歴史は教科書の中ではなく、「今」の中にちゃんと生きているんですね。 1300年以上昔、遣唐使の時代、いつ帰るかもわからない男の人を待つ女性の気持ちは、電話やメールですぐに連絡が取れる今とは比べようもないぐらい寂しく切なく悲しいものだったでしょう。そしてその分、信じる力も強く大きく、そしてその人が死んでしまったとわかった時の絶望も深かった。 今回私は、愛した男、葛井真成が遣唐使として行くのを送り出し、しかしその死を知り、後を追い自殺した女性の役でした。送り出すときの寂しいながらも自分の愛した男を信じて送り出す強さ。帰ってこないとわかった時の絶望と、しかし死の世界でもう一度彼と会って一つになることができると信じて死んでいくときの思いの強さ。女の悲しさと強さを閉じ込めた二つの素敵な重唱とアリアを歌わせて頂きました。 今回、このオペラを作るたくさんの方々のそれぞれのエネルギーを感じ、それが終結した時に出来上がった作品、それが総合芸術作品であるオ続きをみる
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